発音記号はどれから覚える?よく使う英単語1,000語で出現率を数えた結果

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この記事の監修者

尾形智也(Tomoya Ogata)
SpeakNow創業者
英語学習支援・カウンセリング領域で、これまで1万回に及ぶ無料カウンセリングを担当。自身が経済的な理由で留学を断念した経験を原点に、「留学に行かなくても、日本にいながら質の高い英語学習を続けられる環境」をつくるためSpeakNowを創業した。多くの学習者の悩みや挫折パターンに向き合ってきた経験を活かし、ネイティブ講師と日本人コーチによるダブルサポートを、手に取りやすい価格帯で提供。受講生一人ひとりの目標や生活リズムに合わせて、無理なく続けられる学習設計を提案している。
英語学習プロライター H
ライターリーダー
英語コーチング比較メディアのライターとして3年以上、プログリット・トライズ・ENGLISH COMPANY・STRAIL・ビズメイツコーチングなど主要サービスを中心に、公式情報や口コミ、受講体験談などをもとに継続的に比較・分析を行っています。北米の大学への交換留学経験があり、英語学習者としての実体験を踏まえた視点からの情報整理・解説を心がけています。

「発音記号を覚えようとしたけれど、記号が多すぎて途中でやめてしまった」

「どの記号から覚えればいいのか分からない」

発音記号を覚えたい方、このようにお悩みではないですか?

発音記号は、辞書の表記の仕方にもよりますが、英語ではおよそ40前後あります。すべてを同じ重さで覚えようとすると、時間がかかるうえに、よく使う音の練習が後回しになりがちです。

そこで本記事では、学習者向けの頻出語リスト「NGSL」の上位1,000語を、アメリカ英語の発音辞書「CMU Pronouncing Dictionary」で発音記号に置き換え、どの記号がどれくらいの単語に出てくるかを数えました。その結果から、発音記号を覚える順番を3段階で紹介します。

目次

3行で結論:発音記号は「/ə/・R・L・/ɪ/・/ð/」の5つから覚える

  • よく使う英単語1,000語で最も多い母音はあいまい母音の /ə/(29.9%の単語に登場)でした。
  • RかLを含む単語は1,000語中465語(46.5%)で、半分近くの単語で区別が必要です。
  • /ð/ を含む単語は2.5%しかありませんが、the・that・this などに集中するため、使用回数で見ると13.7%を占めます。
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はじめに

発音記号の表を見ても、全部覚えるのは無理そう……どれが大事なの?

発音記号の一覧表は、母音・子音を分類順に並べたものがほとんどです。分類としては分かりやすい一方で、実際によく使う音がどれかは表からは分かりません。

英語の発音を早く通じるものにしたいなら、使う頻度の高い記号から覚えて、その音を口で出せるようにするのが近道です。本記事では、その優先順位を数字で示します。発音記号そのものの読み方や一覧は、英語の発音記号の基本と一覧で詳しく解説しています。

早見表:よく使う英単語に多い発音記号TOP15

NGSLの上位1,000語で、それぞれの発音記号を含む単語の割合を多い順に並べました。上位15記号のうち6つは、日本語にない音や日本人が区別しにくい音です。

順位発音記号含む単語の割合例語日本人の注意度
1/t/30.5%to, it, not△(語末の t が消えやすい)
2/n/30.3%and, in, on○
3/ə/29.9%the, about, people◎ 日本語にない
4/s/27.0%this, say, so○
5/r/25.5%for, from, more◎ L との区別
6/l/24.6%will, all, like◎ R との区別
7/ɪ/20.9%in, it, with◎ /iː/ との区別
8/k/19.7%can, like, think○
9/iː/17.7%be, he, see○
10/d/17.0%and, do, would○
11/e/17.0%get, when, well○
12/p/15.8%up, people, place○
13/m/14.7%from, more, make○
14/ɚ/12.4%other, over, after◎ 日本語にない
15/f/10.7%for, from, if◎ 日本語の「フ」と違う

※◎は日本語にない音や区別が必要な音、△は語中・語末で変化しやすい音、○は日本語の音に近い音。注意度は編集部の分類です。

集計の方法|NGSL上位1,000語をCMU発音辞書で調べた

数字の前提をそろえるため、使ったデータと数え方を説明します。誰でも同じ手順で再現できる公開データだけを使っています。

  • 単語リスト:New General Service List(NGSL)1.2(Browne, C., Culligan, B., and Phillips, J./CC BY-SA 4.0)の頻度順上位1,000語
  • 発音:CMU Pronouncing Dictionary(アメリカ英語)の第1発音を国際音声記号(IPA)に置き換え
  • 数え方①「含む単語の割合」:その記号を1回以上含む単語の数 ÷ 1,000語
  • 数え方②「使用回数ベース」:その記号を含む単語の使用頻度(NGSLの100万語あたりの頻度)の合計 ÷ 1,000語全体の頻度の合計

※NGSLは見出し語(be, have など)単位のリストのため、is・was などの変化形は含みません。CMUの表記を、強勢のある AH は /ʌ/、強勢のない AH は /ə/、強勢のある ER は /ɝ/、強勢のない ER は /ɚ/ として置き換えています。日本の辞書では /ɚ/ を /ər/、/ɝ/ を /əːr/ と表記することが多い点に注意してください。(2026年10月29日集計)

1,000語に出てきた発音記号は全部で41種類でした。ここから、よく出る記号とそうでない記号の差がはっきり見えてきます。

よく使う英単語に多い発音記号ランキング

母音と子音に分けて、上位の記号を見ていきます。2つの数え方で順位が入れ替わる記号に注目すると、覚える優先順位が分かります。

母音のTOP5|あいまい母音 /ə/ が最多

母音は、含む単語の割合が高い順に並べると次のとおりです。

順位母音含む単語の割合使用回数ベース例語
1/ə/29.9%23.7%the, a, about
2/ɪ/20.9%14.8%in, it, with
3/iː/17.7%16.0%be, he, we
4/e/17.0%6.7%get, when, very
5/ɚ/12.4%3.9%other, over, number

最も多かったのは、口の力を抜いて短く出すあいまい母音の /ə/です。about の最初の a、people の後ろの o など、強く読まない部分の母音の多くがこの音になります。日本語の「ア」で発音すると、強く読む部分と弱く読む部分の差がなくなり、英語らしいリズムが崩れます。

子音のTOP5|RとLがそろって上位に

子音も同じように、含む単語の割合が高い順に並べました。

順位子音含む単語の割合使用回数ベース例語
1/t/30.5%21.1%to, it, not
2/n/30.3%21.1%and, in, not
3/s/27.0%10.9%this, say, so
4/r/25.5%11.2%for, from, more
5/l/24.6%10.0%will, all, like

/t/・/n/・/s/ は日本語にも近い音があるため、大きくつまずくことは少ない記号です。一方で4位・5位の/r/ と /l/ はどちらも25%前後に登場し、日本語の「ラ行」では区別できません。

数え方で順位が変わる記号|/ð/ は使用回数で一気に上位へ

/ð/(this の th の音)を含む単語は1,000語中25語、割合では2.5%しかありません。ところが、the・they・that・with・this・there など毎日使う単語に集中しているため、使用回数ベースでは13.7%と、子音で3番目に多い結果になりました。

反対に、/ɚ/ は12.4%の単語に出てきますが、使用回数ベースでは3.9%です。単語の数と使う回数は別なので、両方の数字を見て優先順位を決めることが大切です。

日本人が苦手な音は何%の単語に出てくるか

日本人がつまずきやすい音だけを取り出すと、避けて通れない頻度で出てくることが分かります。

苦手な音のグループ含む単語使用回数ベース
RかL(/r/・/l/)465語(46.5%)20.2%
「ア」に聞こえる母音(/æ/・/ʌ/・/ə/)421語(42.1%)39.9%
TH(/θ/・/ð/)45語(4.5%)14.9%
V(/v/)74語(7.4%)8.4%

RとL|よく使う単語の46.5%に登場

RかLのどちらかを含む単語は、1,000語のうち465語ありました。2語に1語近くで R と L の区別が必要になる計算です。right と light、read と lead のように、取り違えると別の単語になる組み合わせも多いため、最初に練習しておきたい音です。

/æ/・/ʌ/・/ə/|3つの「ア」を区別する

日本語ではすべて「ア」に聞こえる /æ/(have, that)、/ʌ/(but, up)、/ə/(about)を含む単語は421語でした。口の開き方と力の入れ方がそれぞれ違うため、発音記号で区別して覚えると、辞書を引いたときに正しい音をイメージできるようになります。

/θ/・/ð/・/v/|単語は少なくても使う回数が多い

TH の音を含む単語は45語(4.5%)だけですが、使用回数ベースでは14.9%です。/v/ も of・have・very など頻出語に含まれ、使用回数ベースで8.4%になります。少ない単語を何度も使うタイプの音なので、the・that・of・have などの単語ごと口に覚えさせるのが効率的です。

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出現率から決める、発音記号を覚える順番

ここまでの数字をもとに、発音記号を覚える順番を3段階に分けました。日本語に近い /t/・/n/・/s/・/k/ などは、音を確認する程度で先に進んでかまいません。

段階覚える記号選んだ理由
第1段階(まず5つ)/ə/・/r/・/l/・/ɪ/・/ð/含む単語の割合か使用回数ベースが上位で、日本語にない・区別が必要な音
第2段階/iː/・/ɚ/・/ɝ/・/æ/・/ʌ/・/f/・/v/10%前後の単語に出てくる、日本語の音と取り違えやすい音
第3段階/θ/・/ʃ/・/ʒ/・/dʒ/・/tʃ/・/ŋ/・二重母音(/eɪ/・/aɪ/・/oʊ/ など)出現率は低めだが、単語を正確に読むために必要な音

第1段階:/ə/・R・L・/ɪ/・/ð/ の5つ

この5つだけで、よく使う単語の多くをカバーできます。/ə/ は弱く読む部分、R と L は舌の位置、/ɪ/ は「イ」より少し緩めた短い音、/ð/ は舌先を歯に軽く当てる音です。それぞれの記号を見たら、例語を声に出して確認するところまでを1セットにしましょう。

第2段階:「イー」「アー」「ア」「フ」「ヴ」の区別

/iː/ と /ɪ/、/ɚ/ と /ɝ/、/æ/ と /ʌ/、/f/ と /v/ のように、似た音をペアで覚えると区別しやすくなります。sheep と ship、hat と hut のように、記号が1つ違うだけで意味が変わる単語のペアで練習するのがおすすめです。

第3段階:残りの子音と二重母音

/θ/ や /ʃ/・/ʒ/、二重母音などは、第1・第2段階に慣れてから進めば十分です。ここまで来れば、辞書の発音記号をほぼ読める状態になります。

発音記号を効率よく覚える3つのコツ

順番が決まったら、覚え方も工夫しましょう。記号・音・単語をセットにするのが定着のポイントです。

  • 記号だけでなく、例語(the, about など)と一緒に覚える
  • 辞書やアプリの音声で必ず音を確認し、声に出してまねする
  • スペルと音の関係はフォニックスで補う(フォニックスの記事を参考に)

記号ごとの音の出し方や、より体系的に学べる本は、発音記号を初心者が学べる本おすすめで紹介しています。発音全体の学び方の順番は、英語の発音を良くする方法まとめにまとめました。

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よくある質問(FAQ)

発音記号の覚え方について、よくいただく質問にお答えします。

Q1. 発音記号はいくつありますか。

A1. 辞書や表記の方法によって数え方が違いますが、本記事で使ったアメリカ英語の発音辞書では、よく使う1,000語に41種類の記号が出てきました。すべてを一度に覚える必要はありません。

Q2. 発音記号は全部覚えないといけませんか。

A2. 最初は、出現率が高く日本語にない/ə/・R・L・/ɪ/・/ð/ の5つから始めるのがおすすめです。残りは辞書を引くたびに確認していけば、自然に覚えられます。

Q3. アメリカ英語とイギリス英語で発音記号は違いますか。

A3. 違う部分があります。たとえば、本記事の /ɚ/・/ɝ/ はアメリカ英語の R の響きを含む母音で、イギリス英語では R を発音しない表記になります。使っている辞書がどちらの発音かを確認しておきましょう。

Q4. 発音記号を覚えるのにどれくらいかかりますか。

A4. 個人差がありますが、第1段階の5つは例語と一緒に練習すれば短期間で覚えられます。1日数語ずつ、声に出して確認する習慣をつけると、無理なく第2・第3段階に進めます。

まとめ:発音記号は「よく出る順」に覚えれば挫折しない

よく使う英単語1,000語を数えると、最も多い母音は /ə/、RかLは46.5%の単語に登場し、/ð/ は使用回数で13.7%を占めました。発音記号を分類順に全部覚えようとするよりも、よく出る記号から順に覚えるほうが、早く通じる発音に近づけます。

発音記号を覚える3原則

  • よく出る5つの記号から始める
  • 記号は例語とセットで声に出す
  • 似た音はペアで区別する

この3つを守れば、発音記号の表に圧倒されることなく、少しずつ辞書を読める力が身につきます。

最後に──一度挫折した発音記号は、覚える順番を変えれば味方になる

発音記号を途中でやめてしまったのは、記号が難しかったからではなく、覚える順番が決まっていなかったからかもしれません。よく出る音から始めれば、学んだ記号がすぐに毎日の英語で役立ちます。

SpeakNowは完全オンラインの英語コーチングで、発音を含めた話す力を、目標から逆算して伸ばす学習計画を一緒に立てます。まずは無料の英語力診断付きカウンセリングで、今の発音の課題を確かめてみてください。

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※本記事はSpeakNowの運営チーム(株式会社NEXTs)が作成しています。単語リストは New General Service List(NGSL)1.2(Browne, C., Culligan, B., and Phillips, J.、CC BY-SA 4.0)、発音は CMU Pronouncing Dictionary をもとに編集部が集計しました(2026年10月29日時点)。

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